不動産会社に土地や建物の買取を依頼する際には、物件の所有者であると証明する権利書が必要です。
一方で「権利書を紛失してしまったという」という相談を受けることがあります。
そこで今回は、不動産の権利書の役割や、失くしてしまったときの対処法について解説します。
不動産の買取時に必要な権利書の役割とは
対象となる土地または建物が売主の所有物であることを第三者に証明する役割があり、正式には登記済権利証または登記識別情報とよばれています。
いずれも個人情報が登記されていますから、土地や建物を取得した際には、失くさずに大切に保管しましょう。
買取契約が成立した際には、一般的に司法書士が内容に不備がないかをチェックして不動産会社に渡します。
さらに、権利書には有効期限が設けられていませんから、建物などを取得してから何年経過しても有効な書類として利用できます。
不動産買取に必要な権利書を紛失したときの対処法とは
土地または建物を売却するときや、買取を不動産会社に依頼する際には、必ず対象物件がご自身の持ち物であることを第三者が確認できる、登記済権利証または登記識別情報の提示を求められます。
どちらも再発行が不可能なので、買取を依頼される方のなかには「どこにしまったのかわからない」と慌てる方が少なくありません。
万が一、権利書を紛失または破損してしまったときには、司法書士・弁護士・法務局・公証役場のいずれかを訪ねてください。
こちらで物件がご自身のものであると証明するために必要な本人確認の手続きを踏めば、通常どおりに買取や売却が可能です。
悪用されるリスクはあるのか
法務局のデータにご自身の持ち物であると情報が残されており、不動産の所有権まで失ってしまうようなことはありません。
なぜならば、そもそも物件の所有者であると示す書類に過ぎず、法的な効力はありませんし、買取や売却には印鑑証明書と実印が必要だからです。
本人確認の手続きの方法
司法書士・弁護士と、公証人役場や法務局では、本人確認の手続き方法が異なり、前者の士業の場合には本人確認情報が作成されます。
法務局の場合には、「不動産を売却するため登記情報の変更を希望する」という主旨の申請書類を郵送で受け取り、必要事項に記入します。
さらに、法務局の支局となる公証人役場では、公証人の立ち合いの元で署名と実印を押印することで、ご自身の所有物であると実証が可能です。
マンションの買取に必要な書類を失くしたときにはどうなるのか
マンションの場合も戸建てと同じく、前述したとおりに士業または法務局で本人確認の手続きをおこなえば、権利を証明できます。