土地や住宅といった不動産資産を所有していれば、毎年固定資産税を支払う必要があります。
では、不動産を売却、購入したら、その年の固定資産税は買主と売主のどちらが支払うことになるのでしょうか。
ここでは、固定資産税とは何なのかという説明から、不動産売買時の固定資産税の考え方についてもご紹介していきます。
固定資産税とは?不動産を売却しても納税義務者は変更されない
固定資産税とは、土地や住宅などの固定資産を所有している場合、その固定資産に毎年課せられる税金のことです。
固定資産とは住宅だけでなく店舗や倉庫、工場なども該当し、土地には田んぼ、畑、牧場、山林なども含まれています。
不動産売買の際に注意したいのは、固定資産税の課税対象者は、不動産を「1月1日の時点で所有している者」であるということ。
つまり、たとえば2021年の2月に不動産を売却したとしても、2021年における固定資産税の納税義務者はその不動産の前所有者ということになります。
毎年1月1日に納税者が確定されるため、それ以降に不動産の所有者が変わっても納税義務者が変更になることはありません。
しかし、前所有者である売主がその年の固定資産税を全額支払うというのは負担が大きく不公平とも考えられるため、一般的には「引き渡し後の期間分は買主が負担する」という方法がとられています。
売主と買主の負担額はいくら?不動産売却年の固定資産税算出方法とは
不動産売買があった年の固定資産税は、具体的にはどのように分担されるのでしょうか。
ほとんどの場合、「起算日から引き渡し日」「引き渡し日以降」をそれぞれ日割り計算して金額がいくらになるのかを算出し、前者を売主が、後者を買主が負担することになります。
しかし、納税義務者は1月1日時点での所有者である売主となるので、買主が支払い分を買主に預けて、買主がまとめて支払うという形式です。
ただし、算出の基準となる「起算日」は法律上の決まりがあるわけではなく、地域によって1月1日のことであれば4月1日になっていることもあるため、事前に売主買主間でしっかり確認しておきましょう。
なお、その年の固定資産税額がいくらになるかは、路線価などを基準に定められる「評価額」と「標準税率」をかけることで算出できます。
標準税率は1.4%ですが、市町村によっては1.5%や1.6%などと違いがあるので注意してください。