相続で引き継いだ実家や自宅を売却する際に、インスペクションを利用する方が増加していますが、そもそもどのようなサービスなのでしょうか。
今回の記事では、インスペクションとは何か、さらにどのような目的で利用されているのかについて解説します。
費用についてもご紹介していますので、不動産を売却する時の参考になさってください。
不動産売却時のインスペクションとはなにか
建築物の構造を熟知している建築士などの専門家に、建物の劣化がどの程度進んでいるかを調べてもらうことです。
リフォームが必要であるかどうか判断する基準となり、どのタイミングでメンテナスをおこなえば良いのか、費用はどの程度かかるのかなど、修繕改修工事の時期や費用について確認できます。
人口の減少や核家族化によって空き家が増えており、中古住宅の再活用を進めるために日本政府もインスペクションの利用を推奨しています。
不動産売却時にインスペクションを利用する目的とは
なぜ不動産を売却する時にインスペクションを利用する方が増えたのかというと、その背景に民法の改正が挙げられます。
実は、2020年の民法改正によって売り主の責任がより重くなり、売買契約書に記載されていない欠陥や不具合が発見された際には、すべて売却主の負担になるという主旨の内容が記載されています。
つまり、売り主自身が気づかない損傷や劣化があった場合も、契約内容の事実と反するためリフォーム代を負担しなければなりません。
最悪なケースでは売買契約そのものを無効にされる可能性があるため、安心して不動産を売りたいという目的で利用者が増加中です。
また、インスペクションをしておくと「この不動産は専門家にチェックしてもらっているから安心です」と購入希望者にアピールできます。
さらに、必要な修繕を済ませておくと、高い販売価格で売りに出せるという狙いもあります。
不動産売却時のインスペクションの費用はいくら
インスペクションを頼む業者によって費用に差がありますが、平均的な相場は6.5万円前後です。
ただし、相場価格は基本的なプランを頼んだ時の費用となるため、通常ですと床下点検や屋根裏の空間(小屋裏)を外側から目視するだけに過ぎず、十分なチェックをおこなうことはできません。
そのため、インスペクターに建物の内部に入ってもらい、耐震性や建物の基礎などを入念にチェックしてもらうためには、基本プランにオプションを付ける必要があります。
オプションプランはメニューによって料金が異なり、参考までに耐震基準の審査の場合には10万円前後が目安です。
カウンセリングから作業が終了するまでには、約1週間から2週間程度かかるため不動産の売却スケジュールに合わせて、住宅診断の調査を依頼してください。