家を購入する際のペアローンについて、ご存じですか?
まだあまり知られていないペアローンについてご紹介します。
ペアローンの特徴
ペアローンとは、家の購入の際に安定した収入がある同居家族とともにそれぞれが債務者として住宅ローンを組むことです。
たとえば、夫一人での収入では住宅ローンの借り入れ可能額が希望額に達しない場合、その妻に安定した収入があれば、二人の収入を合算して、ペアローンを組むことができます。
ペアローンの大きな特徴は、収入は合算しますが、借入額も返済額もそれぞれで設定することができることです。
このため、お互いが相手の住宅ローンの連帯保証人になり、団体信用生命保険への加入が必要になります。
ペアローンのメリット
借入可能額を増やせる
金融機関にとって返済が滞りなくおこなわれることが重要なので、夫婦に安定した収入があれば、2人の収入を合算することで借入額を増やすことができ、審査も通りやすくなります。
夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けられる
ペアローンの場合、夫婦で住宅ローン契約をするため、夫婦2人とも住宅ローン控除が受けられます。
住宅ローン控除を受けるためには、次の条件があります。
●2人の合算した合計の収入が3000万円以下
●購入した家の延床面積が50平米以上
●住宅ローンの返済期間が10年以上
そして、控除額の上限は40万円ということです。
たとえば、6000万円の住宅ローンを夫一人で借り入れた場合、住宅ローン控除は、上限の40万円になります。
しかし、夫婦で3000万円ずつ住宅ローンを借り入れた場合は、おのおので30万円の住宅ローン控除が受けられ、夫婦合わせて60万円の控除を受けることができます。
売却の際はそれぞれに3000万円の特別控除
購入した住宅を手放す際は、売却で得た利益について3000万円までは税金がかかりません。
ペアローンは購入した家が夫婦の共有名義になっているので、売却の際は3000万円の特別控除を夫婦それぞれで受けられます。
ペアローンのデメリット
手続きの際の諸費用が倍に
夫婦それぞれで住宅ローンを契約するので、事務手数料や登記費用などの諸費用は2人分、倍に増えます。
ペアローンの場合、住宅ローン契約に伴う団体信用生命保険は夫婦のどちらかが亡くなっても、返済が免除されるのは亡くなった人のみで、残された1人は住宅ローンの返済を続けなければなりません。
住宅ローンが1人の場合は、その方が亡くなったら団体信用生命保険で借入金全額が完済されます。
生活状況の変化
夫婦共働きで2人の収入があっても、住宅ローンが終わるまでその状況が続く保障はありません。
たとえば、出産や育児などで働けなくなり一方の収入がなくなる場合や、離婚することになった場合など、長い人生の中では予測できない生活状況の変化もあります。