不動産を売却する際に「按分」が必要なケースがあることをご存じでしょうか。
按分は消費税の課税額を決めるためのものなので、不動産を売却する際には、按分についてぜひ理解しておきましょう。
そこで今回は、不動産の売却を検討している方、または控えている方に向けて、按分とはどういうことなのか、またその方法について解説します。
不動産を売却する際に必要な按分とは土地と建物の価格を分けること!
建物が建っている土地をひとつの不動産として購入する際、土地の価格がいくら、建物の価格がいくらといった表記はほとんどされていませんよね。
しかしこのような不動産を売却する際には、それぞれの価格を決める必要があります。
按分とは、この作業のことなのです。
不動産の売買には消費税が発生しますが、実は土地に関しては「消費するものではない」という考えから、消費税が発生しません。
つまり、土地と建物の価格を分けておかないと、課税額がわからないのです。
売り出す際に、価格を分けて表示する必要はありませんが、按分することで、書類上、内訳を決めて課税額を明確にします。
そうすることで、税金をスムーズに計算できるようにしているのです。
不動産を売却する際に必要な按分の方法とは
ではどのような方法で内訳を決めるのでしょうか。
按分の方法に決まりはないのですが、売主と買主の双方が納得して取引するために、一般的に次のような方法で計算されています。
いくつかご紹介しますので、参考にしてくださいね。
按分の方法
●売主と買主で話し合って決める
お互い納得できれば、話し合いで決めることができます。
●固定資産税評価額を参考にする
まず建物の固定資産税評価額を、土地・建物の固定資産税評価額を合計した価格で割って、建物の割合を計算します。
この割合を取引金額に掛けて、建物の価格を算出してください。
土地の価格は、取引価格から先に算出した建物の価格を引いて算出します。
この方法は、お互いが納得できる根拠が明確なので、国税庁も推奨していますよ。
●専門家に評価額を決めてもらう
不動産鑑定士に依頼して、それぞれの評価額を決めてもらう方法もあります。
費用は高額ですが、専門家による評価が得られるという点では信頼できる方法かもしれませんね。