住宅購入を検討する際には、「用途地域」という言葉を聞くことがあります。
これは私たちが生活しやすい環境を整えるための決まりなのですが、実際に家を買おうとする場合には注意しなければいけません。
これから用途地域の種類と、望む生活スタイルによってどんな場所に住むのにおすすめか、さらに注意点までお伝えします。
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用途地域とは、土地の使い方を分けられた地域によって国が規制しているものです。
もしそれが設定されていないなら、危険性の高い工場群の中に家が建っていたり、教育関連施設のすぐ横にカラオケが営業していたりなど、さまざまな建物が混在してしまうことになります。
そうすると工場も稼働させにくく、店舗も営業しにくい、家にも住みにくい、すべての人にとって暮らしにくい環境になりかねません。
そのような混乱を防ぐために導入された制度です。
2019年に田園住居地域が加わって、全部で13種類に設定されました。
それをざっくり分類すると3つに分けられます。
ひとつひとつの名称と、内容を簡単にご説明します。
住居系用途地域
「住居系」と呼ばれるものは8種類です。
それらは、地域内に家が立ち並ぶことを想定しており、広い敷地を保有するお店や工場は置くことができません。
第1種低層住居専用地域
低層の家、賃貸マンション、小中学校を地域内に置くことができます。
第2種低層住居専用地域
上記で土地を使える用途の他にも、コンビニエンスストアのように小さなお店も営業できます。
第1種中高層住居専用地域
上で説明したものから建物の高さ制限が取り払われ、病院など医療関係施設や、神社、大学などの教育施設も置くことができます。
第2種中高層住居専用地域
それまで許可されているものに加え、もっと規模の大きいお店も置くことが可能となりました。
第1種住居地域
これまでにプラスして、より大きなお店やホテルなども含めて土地の利用が許可されています。
第2種住居地域
これまでに加えて、ボーリング場、スケート場、一定以下の広さのパチンコ屋やカラオケも営業することができます。
準住居地域
これまでに加えて車庫、倉庫、修理工場、映画館などに土地を使うことが許されています。
田園住居地域
第1種低層住居専用地域に似た決まりになっていますが、野菜や果物などの直売所や産直野菜のレストランなど、農業に関わる建物も置くことができます。
商業系用途地域
次に「商業系」と呼ばれる2種類についてご紹介します。
お店やアミューズメント施設だけでなく、家も置けます。
近隣商業地域
地域の住民が快適に暮らすことができるよう、準住居地域ではダメだったお店やアミューズメント施設などの大きさの制限が取り払われました。
商業地域
上記に建てられるものにプラスして小さな工場や風俗施設をはじめとするものも土地を利用できるようになりました。
工業系用途地域
残りの3種類は「工業系」です。
最後の工業専用地域にだけは家として土地を利用できない決まりとなっています。
準工業地域
危険性が高くなく、環境悪化が懸念されない工場だけが建築でき、マンションや住宅、店舗や病院、教育関連施設など、いろいろな建物が混在する傾向にあります。
工業地域
すべての工場、また家も土地を利用することが許されていますが、医療関係施設や教育関連施設などは認められていません。
工業専用地域
名前のとおり工業専用の地域ですので、家としての利用はできません。
制限のある用途地域で住宅建築に適したものは
家を購入する際には、事前にどの用途地域にあたるのか確認しておくといいでしょう。
どのような場所を選べばいいのかは、どんな暮らしをしていきたいかというタイプ別におすすめを解説していきます。
静かに住みたい
もしあなたが静かな環境でゆったりとした暮らしを希望するなら、第1種、第2種低層住宅地域がおすすめです。
農業と関わりのある暮らしをするなら田園住居地域も、のどかに暮らせます。
便利だけど静かに住みたい
お店が近くにあるなど、ある程度の利便性は確保しつつも静かな地域で暮らす願望があるのであれば、第1種、 第2種中高層住宅専用地域がおすすめします。
分譲マンションも多いので、選択肢も広がります。
静かさより利便性を重視したい
駅の近くなど、少々にぎやかで利便性の高い暮らしを求めるなら、第1種、第2種住居地域がおすすめです。
大きい道路が近くを走っている準住居地域では車での移動が便利な場合が多く、大きめの分譲マンションも充実して存在しています。
また、工場の音などを気にしない場合は教育関連施設やお店もある準工業地域も、ファミリー層にはおすすめの地域です。
にぎやかな場所で利便性高く住みたい
近隣商業地域、商業地域では、銀行や映画館、飲食店や販売店など、さまざまなお店やアミューズメント施設が集まります。
そのため、時間を問わず騒がしくなりがちですが、その分利便性は特に優れています。
海を眺めるタワーマンションに住みたい
工業地域は湾岸沿いであることが多いので、タワーマンションが多くあります。
海沿いのタワーマンションで優雅な暮らしに憧れるなら工業地域はおすすめです。
用途地域によって住宅建築に制限がある注意点
実際に家をどこに置くか決める時、その場所によっての注意点を3つお伝えします。
建ぺい率の違いに注意
建ぺい率の厳しさが定められた場所によって違うので、気をつけなければいけません。
だいたいは内部に置いていい建物の決まりが厳しい地域の方が建ぺい率も低く、規制のゆるい地域の方が建ぺい率が高くなっています。
つまり、家など低い建物が多い場所ほど隣の敷地まで間を空けなくてはならず、大きいお店や工場もある場所では隣接する敷地に比較的近くに建物を置くことが可能です。
土地に対して、どんな家や庭を希望するか次第で、選ぶ土地も変わってきます。
ただし耐火建築物や角地などの場合は特例で建ぺい率が変わってきますので、ご自宅を建てる予定の場所をしっかりと確認しておくといいでしょう。
地域が複数にまたがる場合に注意
土地によってはさまざまな制限が設けられていますが、2つ以上の用途地域にまたがった土地の場合はどうなるのでしょうか。
その場合は、より大きい敷地面積を占めるほうの基準に従うこととなります。
さきほどお伝えした建ぺい率など、家の建築にも関わってくるところなのでご注意ください。
特別用途地域に注意
実は、今まで解説してきた13の用途地域に加え、特別用途地域と設定されているものがあります。
地方公共団体の特例で、その地域に独自の制限を設けたものです。
大抵の場合、すでに決定されている土地利用の制限をより強化するものなので、もともとの規定では建てられるはずのものが、特別用途地域になってしまっているために建てられない、というケースがあります。
住宅建設を予定している地域がそれに該当しないか、また、該当している場合はどのような決まりになっているのか、事前にご確認ください。
まとめ
住宅建築には、用途地域によってそれぞれ土地の利用に制限があるため、建築を予定している地域の規定を確認しておくことが大事です。
工場やお店、アミューズメント施設や家も、それぞれが暮らしやすいようにするため、国はさまざまな決まりを設定しています。
地域によって周辺環境も大きく異なりますので、ご希望の暮らしや生活スタイルを思い描きながら、どんな場所に暮らすかを決定するといいでしょう。
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