マンションの長期修繕計画と聞くけど、実はなんのことだかわからない、という方も多いようです。
ここでは、長期修繕計画とは何か、という基本的なところから、その見直しについてと注意点も詳しく解説していきます。
マンションに長く住み続けるにあたって大切なポイントなので、しっかりと押さえておきましょう。
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これはその名のとおり、分譲マンションを長期間にわたって修繕する計画のことです。
長い将来のことを見据えて計画されるもので、25~30年ほどの先まで考えられているのが一般的です。
分譲マンションの共有部分は、各部屋の所有者がそれぞれお金を出し合って必要な修繕をしていくことになっています。
マンションのどこがどのように劣化すると想定され、どのように直していくか、また、それにあたっての費用はどれだけかかるかが計画には組み込まれています。
この計画があることで、マンションの住民にとっても次のようなメリットがあります。
突然大きな金額を支払わなくていい
マンションではしっかりとした修繕計画が立てられており、各部屋の持ち主は毎月その計画に基づいて決められた修繕積立金を支払っています。
もし長期修繕計画がなければ、12~15年ごとにおこなわれるマンションの大規模な修繕の際にお金が足りなくなり、マンションの住民から大きな額を徴収することになりかねません。
毎年発生するような設備の点検やちょっとした修繕にも費用がかかりますので、それをあらかじめ予測して計画に組み込んでおくことで、突然大きな金額を請求されてしまう、という事態は避けられます。
修繕積立金が何に使われるのかがわかる
計画を立てることによって、マンションの各部屋の所有者が支払っている修繕積立金が何に使われるのかを理解し、安心することができます。
前もって計画をはっきりさせておくことで、自分たちのお金がどうやって使われて、快適なマンション生活につながっているのかが分かりやすくなります。
また、時にはさまざまな理由から計画より実際の修繕費用が高くなってしまい、追加の資金や、修繕積立金値上げを要求されることもあります。
しかしこの時も、最初の計画を綿密に練りあげておくことで「どの費用がどのように上がったので追加の資金が必要になった」という具体的で説得力のある説明が可能となります。
マンション内での会議がスムーズになる
マンションで何か点検や修繕を行う場合には、マンション内で理事会を開いて住民の賛成を得てからになります。
その際に、事前にきちんとした計画があれば、マンションの各部屋の所有者もあらかじめ納得して修繕積立金を払っていることになるので、修繕内容や必要性の説明を最初から事細かに受ける必要もありません。
マンションの点検や修繕では、小さなものでも数週間、時には数か月、数年とかかることも珍しくないので、マンション住民の理解を得ることは大事なポイントとなります。
住民が納得して話を進めやすいということは、修繕計画もスムーズに進みやすいということにも繋がり、マンション全体の快適性の維持にも大きく関わるところです。
マンションの長期修繕計画見直し
このように大事な長期修繕計画ですが、途中で見直しをおこなう必要があります。
なぜなら、30年近い年月の先を見据えて計画を立てるため、途中で予測不可能な事態が起きることが多々あり、完璧に計画どおりに事が進むとは考えられないからです。
物資や人件費の価格高騰や、意外な事故での設備の破損、自然災害など、さまざまな要因で計画にない出費がふえることもあるでしょう。
一般的にはそのような不測の事態に備えて、余裕をもった計画を立ててはいるものですが、それでも修繕積立金が足りなくなってしまうこともあります。
その場合、一時金という形で臨時に住民からお金を徴収するか、もしくは毎月の修繕積立金の値上げをする必要があります。
いつ見直しをするのか
計画は、約5年に1度見直すように言われています。
それは、建築基準法などの法律が約5年のサイクルで改訂されるというのも理由の1つですし、5年周期で修繕が必要な箇所(鉄部)もあるということも理由にあげられます。
実際にどんな部分が劣化しているのかを見極めるのにも、5年がちょうどいいスパンだと考えられます。
もし5年毎の見直しがおこなわれていない場合は、管理組合や管理会社に確認してみるものいいかもしれません。
見直しの方法
まずは今までの長期修繕計画から、現状の修繕積立金との比較、今の建物の劣化具合などを照らし合わせて考えなければいけません。
マンションの住民で構成される管理組合を中心に見直しを行うのが理想的でしょう。
ただし、マンションの劣化具合については専門家に依頼する必要がありますので、管理会社から紹介された専門業者などを頼ることになります。
また、長期修繕計画の見直しについても専門のコンサルタントに間に入ってもらう方法もあります。
第三者の専門家の目線でしっかりと判断して見直しができるのはいいことですが、その分コンサルティング費用がかかってしまうことは覚悟しなくてはいけません。
戸数の多いマンションであるほどコンサル料も高額になる傾向にあります。
マンション長期修繕計画の注意点
最後に、マンションに住むにあたって、最低限気をつけておいたほうがいい計画の注意点についてお伝えします。
長期修繕計画がないマンションもある
小さめのマンションの中には、長期修繕計画がないところもあり、すべてのマンションで計画が立てられているわけではありません。
規模が小さな建物だと、修繕する箇所も少なく、住民も少ないので、長い期間を見据えた計画は必要ない、という考えから計画されていないようです。
しかし人が住む以上はどうしても修繕は必要になるものなので、必要に応じてその都度住民がお金を支払うことになります。
毎月修繕積立金を支払う必要はない代わりに、いつ請求されるかわからない修繕費用に備えて、意識的に貯蓄をしておかなければいけません。
費用が足りなくなることもある
計画に基づいて毎月修繕積立金を支払っていても、今までご説明したように、それでも費用が足りなくなってしまうことも多々あります。
毎月積立金を支払っているから安心だ、ということでは決してなく、その時の状況に合わせて追加で支払いをすることになるかもしれない、というのは頭に入れておくといいでしょう。
ただし、必要な金額に対して積立金が不足してしまった場合は一方的に金銭を請求されるわけではありません。
マンションの管理組合での承認を得て、はじめて追加の金額が請求されることになりますので、どうしても納得いかない場合はマンションの今後の資産価値維持の必要性、工事の内訳などを話し合いの場で確認されるといいでしょう。
「値上げ」となると反対したくなるのは仕方のないことですが、やはり値上げや一時金徴収についての議会となると長引き、なかなか合議にいたらないことがあるのも注意点です。
まとめ
マンション長期修繕計画の内容や、その見直し、また注意点についてご説明しました。
せっかく購入したマンションの資産価値を守り、住みやすい環境を整えるための大切な計画です。
ご自身の購入予定、またはお住いのマンションの長期修繕計画を今一度たしかめてみることもおすすめします。
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