マイホームの購入時にローンを組まずに、現金で住宅を一括購入するとローン契約時の手数料や、団体信用生命保険などの支払いがないため、経済的に大きなメリットを得られます。
しかし、ローンを利用してマイホームを購入しないと、公的な支援制度を受けたい方にとっては不利になることをご存じでしょうか?
そこで、今回は不動産を一括購入するメリットと注意点について解説させていただきます。
不動産を一括購入するメリットとは
住宅ローンを利用すると融資額に金利が上乗せされますし、保証会社への保証料や、団体信用生命保険料などの諸費用も発生します。
ローンを利用せずに不動産を自己資金で購入すると、これらの諸費用を負担せずに済むので、マイホームの購入費を軽減できます。
さらに、ローンの審査をおこなわずに、スムーズに物件を購入できますし、なんらかの理由により収入が不安定になった際に、「ローンの支払いが滞ってしまうのでは」と不安を感じることもないでしょう。
不動産を一括購入するときの注意点とは
住宅ローン控除は、ローンを組んで家を購入した方のみが受けられる優遇措置ですので、自己資金でマイホームを購入する場合には、税優遇の適用対象外になることに注意しましょう。
また、消費税の増税による住宅の取得費を軽減する「すまい給付金」についても、50歳以下の方は給付金を受けられません。
場合によっては、収入に見合わない住宅を現金で一括購入すると、税務署から所得税などの申告漏れを疑われる可能性もあり、真面目にコツコツと資金を貯めて家を購入した方にとっては気持ちの良いものではないでしょう。
さらに「住宅ローンを利用したくないから」と、持っている預貯金をほぼマイホームの購入費に充ててしまうと、病気により働けなくなったときや、お子さんの教育費がかかるときに不安なものです。
不動産を一括購入するときの費用について
不動産を一括で購入する場合には、ローンの審査がない分だけスピーディーに売買契約に進めます。
一方でローンを組まないので手付金を通常よりも、多めに請求される場合もありますが、手付金も購入費用のなかに含まれているため、特に問題はないでしょう。
抵当権が抹消されている物件であれば売買契約時に現金決済が可能ですが、金融機関の抵当に入っている物件に関しては、抵当権を抹消してから現金決済がおこなわれます。
通常は現金のやり取りは、銀行から指定の口座にお金を振り込みますが、このときにオンラインバンキングを利用すれば、よりスムーズに支払いの手続きへ進めます。
物件の取得費用の他に、仲介手数料や登記登録料、さらに取得税も掛かるので、ライフプランに沿って計画的に不動産の一括購入を考えてください。