「遺産相続」と聞くと「もめる・トラブル」を連想される方も多いのではないでしょうか。
遺産相続において、適切な遺言書がない場合は「遺産分割協議」をおこなうことになりますが、トラブルは避けたいものです。
ここでは、特にトラブルの多い不動産の相続について解説します。
相続における遺産分割協議とは?
遺産分割協議の目的とは?
相続人が複数いる場合、その全員で遺産の分け方を話し合い決定することを目的としています。
しかし、遺言書がある場合は基本的に遺産分割協議の必要はありません。
遺産分割協議とは、遺言書がない場合や遺産の一部の分割しか指定されていない場合、遺言書と異なる遺産分割をしたい場合に必要となる手続きです。
遺産分割協議の進め方
●STEP1 相続人と相続財産の調査
遺産分割協議は相続人全員が合意しなければ無効になるので、あとから新たな相続人が発覚した場合はやり直しです。
また、あとから新たな遺産が発覚した場合は、それについて改めて協議する必要があります。
ですから、事前にしっかりと調査をすることが大切です。
●STEP2 遺産の分け方を具体的に話し合う
遺言書がない場合、民法に相続分の割合が規定されていますが、全員の合意があれば法定相続分と異なる割合で遺産を分けることもできます。
●STEP3 遺産分割協議書を作成し、署名・捺印
話し合いの結果、全員の合意が得られれば、遺産分割協議書を作成して全員が署名をし、実印を捺印します。
●STEP4 完成した遺産分割協議書を使って相続手続きを開始
不動産や株式の名義変更や、預貯金の名義変更・解約払戻しの手続きなどには、遺産分割協議書が必要です。
不動産相続における遺産分割協議トラブル
不動産は現預金と違い簡単に分けられないので、不動産相続はトラブルが生じやすいようです。
不動産の分割方法
●「現物分割」相続人の1人がそのままの形で引き継ぐ
●「代償分割」相続人の1人が取得し、他の相続人に相続割合に応じた代償金を支払う
●「換価分割」不動産を売却して売却金を分配する
●「共有」不動産を分けずに複数の方が共同所有する
不動産の評価方法
土地や家屋、賃貸している不動産、それぞれに複数の評価方法があります。
どの評価方法を取るかにより評価額が大きく変わってしまうので、意見対立が起こりトラブルに発展することがあります。
不動産相続における遺産分割協議トラブルへの対処・解決策
不動産相続において意見が対立してしまった場合の解決策として、全員の同意を得やすい評価方法を用いたり、複数の評価方法の平均値をとる方法もあります。
話し合いで全員の同意が得られない場合、調停・裁判を利用することになりますが、時間や費用もかかる上、親族同士の関係も悪化してしまうかもしれません。
そうならない為に、普段から遺産相続に対しての意見を共有したり、適切な遺言書を作成しておくと良いでしょう。